薄毛とは、頭髪全体のボリュームが不足したり部分的に頭皮が露出している様な状態の事です。中年以降の男性に多く見られる状態ですが、女性は無関係というわけではありません。ただし、男性と女性とはホルモンの働きに違いがあるので、薄毛が発症する原因も異なっています。男性的な特徴を形成するために分泌されるのが、成長ホルモンの一種であるテストステロンです。
この物質の一部は、5α還元酵素によりDHTに変換されます。このDHTが、毛乳頭細胞のレセプターと結合する事により、頭髪の成長サイクルは狂わされてしまいます。これにより、本来であれば数年間成長する頭髪が、半年程度で抜け落ちるようになります。このDHTにより進行する薄毛は、AGAと名付けられています。
テストステロンの分泌量が増加する思春期以降に徐々に発症率が高くなり、日本人では20代の後半から30代にかけての時期に最も集中しています。DHTが生産されている限り症状の進行は止まらないので、40代以降に生え際から頭頂部にかけての頭髪が完全になくなるという段階に到達します。現在では、この症状の進行を止める内服薬が開発されており、専門の医療機関で購入する事が出来ます。一方の女性の場合は、この様な状態にまで薄毛が進行する事はほとんどありません。
女性の薄毛は、男性ホルモンによるものではなく、女性ホルモンの分泌量が低下する事が原因と考えられています。頭髪全体が細くなるという事が女性の症状の特徴であり、ホルモンバランスの改善や発毛効果の高い育毛剤の使用が有効な方法となります。