男性型脱毛症（AGA)は、額や後頭部の薄毛が進行するのが特徴で、遺伝や男性ホルモンの影響で起こると考えられています。薄毛の部位には、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる男性ホルモンが多く見られます。これは、男性ホルモン「テストステロン」が「」という還元酵素によって変換されたもので、毛乳頭細胞の受容体と結合して、ヘアサイクルを乱す働きがあります。健康な髪は4～6年の成長期に成長し、成長が止まる退行期を経て、休止期に入ると自然に抜け落ちます。
DHTによって成長期が短くなると、髪は成長しきらないうちに抜け落ち、薄毛になります。AGA治療では、内服薬や外用薬の処方、育毛メソセラピーなどが行われます。内服薬「フィナステリド」は、初めて国内で承認されたAGA治療薬です。フィナステリドは、5αリダクターゼを阻害する働きがあるため、DHTの生成が抑制されてAGA改善が期待できます。
ほとんどのケースで現状維持効果があり、効果的な薬ですが、服用を中止すると効果がなくなります。外用薬では、血管拡張効果のあるミノキシジルが配合された育毛剤などが使われます。育毛メソセラピーは、発毛や育毛に効果的な成分を頭皮に直接浸透させる治療方法です。各クリニックで独自の薬剤を使用しており、早い段階で効果を実感できるのが特徴です。
成長因子を使用した毛髪再生療法も開発されて、注目を集めています。AGA治療は、早期発見して適切な治療を行うことで、改善することができます。AGAかなと思ったら、専門外来に相談することをおすすめします。